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I think so./I feel so.

漫画や映画など読んだもの・見たもの・聞いたもの・使ってみたものや普段の生活に関する感想文です。内容は一個人である私の思いつきに過ぎません。

アニメ版『惡の華』第11話の感想

ズレてる春日くん

今回からオープニングが『惡の華 -群馬県桐生市-』に。イントロが面白かったです。
※ネタバレ注意


補導され、パトカーに乗せられる三人。町に連れ戻され、春日くんはどこにも行けなかったことを噛みしめる。一ヶ月後、季節は夏になり、口も利かなくなった春日くんと佐伯さんの関係をクラスメイトも訝っている。そして仲村さんは今まで以上に荒れている。木下さんは佐伯さんを無理矢理連れて春日くんを問い詰める。なぜ一ヶ月前道に迷って大変な目にあった(山の事件はこのように説明されているようだ)奈々子を無視するのか、と。春日くんは佐伯さんには自分よりふさわしい人がいるはず、と告げます。佐伯さんもわかった、お別れしようと応え、二人は左手で握手し、別れる。春日くんは家でも家族におかしな態度をとり、様子がおかしい。両親もどうすればいいのかわからない。虚しく流れるお笑い番組。ゲロ袋を用意するほど吐き気が止まない春日くんは、自分はどこにも行けないまま、このまま干からびて死ねばいい、と自棄になっている。夜の町を裸足で徘徊する夢を見ている春日くん。錆びた鉄だらけ、誰もいない、物音一つ立たない夜の町。やがて道端の雑草はルドンの挿絵をモチーフにした惡の華に変わり、町の空は赤く燃え上がる。惡の華が咲き乱れる花畑の真ん中に仲村さんがいる。春日くんが近づくと、惡の華は舞い上がり、仲村さんが春日くんに、春日くんが向こう側について来てくれると信じていたのに、うそつきにんげん、と言って去っていく。夢から覚めた春日くんは、仲村さんがあの時深く傷ついたことに思い至る。ボードレールの写真立てを膝蹴りで割り、本をぶちまけ、自分を信じてくれた、自分よりずっとこの世界で生きづらい仲村さんに作文を書き、仲村さんをひとりにはしないと決意した。


うそつきにんげん

仲村さんっぽい言葉を春日くを通して言わせると「うそつきにんげん」という物言いに。本物はこうは言わないと思います。どこか都合のいい、夢らしい感じがしますが、この夢がきっかけで春日くんは復活します。しかしその後の春日くんの決意は的はずれなものだと思います。それは中学生らしい、考えの至らなさ加減と言えばそれまでなのでしょうが…

  • 仲村さんは怒っていた
  • 仲村さんは傷ついた。

これらは正しいと思います。ついてくると思っていた自分と同じ変態が土壇場でついてこなかったから。

  • 仲村さんは自分より生きづらい

これは間違ってるわけではないですが、軽く「余計なお世話」感がします。

  • そんな生きづらい仲村さんは一人でどうするんだろう?

正直、人のことより自分のことを考えなよ、と思いました。
そして春日くんが決意したこの二つ。

  • 仲村さんのために作文を書く
  • 仲村さんを一人にはしない

他の人よりずっと生きづらい仲村さんを僕が一人ぼっちにはしない!という決意は美しいものの、結局仲村さんにまた引っ張ってもらい、空っぽじゃない特別な自分になりたい春日くんのひとりよがりだと私は思います。仲村さんは「誰かに頼って」生きづらいのを何とかしようなんて考えていないと思います。


今回も長回し

春日くんが夢の中で町を徘徊するシーン、8話の冒頭程ではないにしても、じっくりと長かったと思います。山田らとの下校時に通るカーブミラーの前やカス告白の公園、商店街を通り、仲村さんと言葉を交わした河原の遊歩道を過ぎると惡の華畑に入り、仲村さんが待っています。ルートが仲村さんのいなさそうなところからいそうな場所をたどっているように感じ、となると惡の華畑は場所としては河原なのかな、と思いました。


次回は

仲村さんとの追いかけっこと取っ組み合いですね。仲村さんの冷たい表情、遠くを見つめて魂なくなったような表情、激しく怒っている表情、春日くんに怒りをぶつけた後の表情…コミックスではどれも印象的だったので、アニメ版でもやはり楽しみです。

惡の華(4) (講談社コミックス)

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