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I think so./I feel so.

漫画や映画など読んだもの・見たもの・聞いたもの・使ってみたものや普段の生活に関する感想文です。内容は一個人である私の思いつきに過ぎません。

アニメ版『惡の華』第12話の感想

受け入れられるのか?春日くんの作文!

夢に現れた仲村さんの言葉をきっかけに、仲村さんを一人にはしないという決意を固めた春日くん。第12話ではどう動くのか?
※ネタバレ注意


いつか仲村さんに要求された「作文」を書き上げた春日くん。町の朝はいつもと同じ朝ですが、春日くんにとっては昨日までとは違う朝です。教室に入って、仲村さんに「おはよう」と声をかけますが仲村さんの反応はありません。下校時間になり、春日くんは仲村さんを追って教室を出ます。教室では春日くんと佐伯さんのお別れのきっかけを作ってしまった木下さんが山田くん小島くんに「春日の様子がおかしいが、何か知ってる?」と尋ねます。山田くん小島くんは「本を読まなくなった、しらねーよきもちわりー」と答えます。
仲村さんに追いついた春日くんは書き上げた作文を渡そうとしますが、仲村さんは取り合わずすたすたと大股で歩き去ろうとします。春日くんは作文を読み上げながら追いかけます。スピードを上げ、走る仲村さん。
「がんばって本物の変態になる!」
「仲村さんを一人にはしない!」
車にはねられそうになり一旦追いかけるのをやめる春日くんですが、家に帰り連絡網で仲村さんの家の住所を調べます。家を出て仲村宅に向かう途中、通りを隔てた向こう側では山田くん小島くん達が楽しそうに歩いています。一瞬何かをぐっと堪えて、また春日くんは歩き始めます。仲村宅のポストに作文を入れようとしたその時、仲村さんのお父さんに声をかけられます。山の事件について詫びる春日くん。娘の友達と思ったのか、上がっていきなよと春日くんに呼びかけます。春日くんはそれに応じて仲村さんの家に上がり込みます。その時、仲村さんは団地にありがちなコンクリートの短いトンネルの中に座り込み、うすらぼんやりと何かを見ていました。居間に通された春日くんは仲村さんのお父さんと話をします。お父さんから「女の子は難しい、父親にはよくわからない。春日くんと佐和はどんな仲なの?」と聞かれ、春日くんは「わかりません、友達というか。仲村さんが何を考えているのか僕もわからなくて。でも、僕はわかりたいんです、仲村さんを」と答えます。仲村さんのおばあちゃんから「そろそろご飯になっから、食べてくんべ」と誘われ、お父さんも「せっかくだから、お家には電話してあげるから」ということで、ご飯まで食べることになりました。とりあえずトイレを貸りる春日くん。トイレに向かう途中、入るなクソムシと殴り書きされたドアを見つけます。これは間違いなく仲村さんの部屋。ドアノブに手を掛ける…


春日くんを突き動かすもの

思い込んだらもう止まらないのは思春期にありがちですが、思い込んで突き進むその方向が大人目線ではあまりに滑稽で、ここだけ切り取ったら「大人が中学生だった頃の自分を思い出して痛い気持ちになるのを楽しむギャグ作品」と評価されても仕方ないと私は思いました。春日くんの仲村さんを一人にはしないという、ひたすらまっすぐな行動や気持ちを見せつけられる薄ら汚れた大人の私や仲村さんのお父さんは、笑ってそれをかわして逃げるしかないのです。しかしこの時、薄ら汚れた私や仲村さんのお父さんは、春日くんを突き動かすものの正体、春日くんが気づいていないその原理を知っている。春日くん自身が気づかない原理、それは、仲村さんに認められることこそが、周りの奴らとは違う特別な自分になる手段だということ。突き詰めれば結局、春日くんは仲村さんそのものを見ているのではなく、仲村さんを見ているつもりで自分を見ているのです。


アニメ版の表情について

原作『惡の華押見修造』の所々で描かれる人物のものすごい表情、やはりあれは漫画だからこそできうる表現で、ロトスコープでは表現するのが難しいんだということを、今回の12話を観て改めて思いました。仲村さんがぼんやり何処かをみている表情は、コミックス版では屈指のものすごく味わい深い表情だと私は思うのですが、ロトスコープのアニメ版は実写の人物の表情がベースになるため、すごい表情にはなっていなかった。特徴を徹底してデフォルメして大げさにふくらませたものが漫画としての人物表現だとすると、ロトスコープの持ち味をそこで生かすことは厳しい。


仲村さんの走り

すげーダイナミックだったwカス告白で水ぶっかけて逃げる時はぶっさいくな走りがおかしかったんですが、今回は腕の振りがシャープで、女の子のどうしようもないダサい走りでも、アニメにありがちなウソくさい走りでもなかった。これはロトスコープならでは、なんでしょうね。


次回いよいよ最終回

どんな最終回になるのか、ここで終わって、描き切れてない残りはどうするのかなど、どうなるのか楽しみです。

惡の華(4) (講談社コミックス)

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