1991年の夏から1995年の夏へ
前回は大野視点での1991年夏の回想、遂に投げハメ上等、待ち上等のクソガキ・ハルオが登場しました。今回はどうなるのでしょうか?

- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2013/10/25
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『ハイスコアガール/押切蓮介』第32話あらすじ
※ネタバレ注意
勝利に貪欲なあまりハメや待ちを駆使するハルオに大野は敗れるが、代わりに強烈な鉄拳をハルオにぶち込んだ。店内でのトラブルはご法度、二人はマルミヤを出禁となる。ハルオに罵られるが憩いの場を失ったのは大野も同じ。
怒りの収まらない大野は体育のドッジボールでもハルオを制裁する。アーケードゲーム機を求めて行く先々に現れるハルオにイラつく大野をザンギエフがなだめる。
徐々に打ち解ける二人。大野を乗せてハルオが漕ぐ自転車が土手を走る。頭をよぎる業田先生の厳しい指導の言葉。がしゃどくろで鍵を無くし歩いて帰る土手の上、ハルオが大野に語りかける。
じゃあさ…
またしんどくなったら逃げてこいよ…
また妙チクリンなゲーセンに連れてってやっからよ
時は1995年夏に戻る。ハルオと縁日を見て別れた帰りの車の中。今は辛抱の時だというじいや。大野は瞳いっぱいの涙をためている。
小春がゲーセンでヴァンパイアハンターをプレイしている。ハルオに自分と戦う決心がついたらゲーセンの掲示板にその旨を伝言するよう伝えてあるので、小春は毎日ゲームセンターの掲示板を見に来ている。
対戦に敗れ、掲示板の前でひとりハンバーガーを食べていると、先程の対戦で小春を破った少女が話しかけてくる。小春のプレイをひとしきり褒めたあと、もっと強くなりたかったらここに来るように、と小春にメモを渡す。
夜9時、小春はメモに開いてあったゲームショップを訪れる。閉店後のゲームショップは「夜ゲー」と呼ばれる、ゲームマニアが集う場所で、対戦格闘ゲームがプレイし放題になっている。小春にメモを渡した少女はこのゲームショップの娘だという。メンバーの自己紹介を聞く小春、少女は自分を「二子玉川フェリシア」と名乗った。みんなには「ニコタマちゃん」と呼ばれているという。
夜ゲーでは正道も邪道もなく、ただ勝つことのみを求めてプレイヤー達が腕を磨いている。ニコタマがフレームの見極めについて話すが、小春はついていけない。対戦ダイアグラムを見せられるが、これも小春はちんぷんかんぷんだ。小春は自分の遠回りな恋路を思いつつ、絶対にあきらめないことを再確認する。
過去を振り返り涙する大野
91年の夏を回想しつつ涙にくれる大野。業田の萌美先生からの逃避がゲーセンと結びつき、それはやがてハルオへと結びつきます。嫌なものから逃げようとする気持ちが恋愛感情に変わったので、ハルオとの間にある障害が大きければ大きいほどその恋心は燃え上がりそうです。ただ、事態の打開方法は見えないままですが。。。
未来を想い決意を新たにする小春
一方の小春は、ハルオと付き合うための決意を新たにします。新キャラ・ニコタマちゃんに誘われて訪れた「夜ゲー」で腕を磨くのです。もともと才能のある小春がフレーム判定や対戦ダイアグラム(wikipedia:対戦ダイアグラム)についての知識を入れてしまったら手の付けられないモンスターになるに違いありません。意気消沈したままのハルオがもしのこのこ出てきたとしたら、クレジットが0になるまで挑戦したとしても、小春は敵う相手ではないでしょう。
大野と小春の対比
過去を振り返り涙する大野と未来志向で頑張る小春のコンストラストが描かれた今回。袋小路に入ったかのように局面を打開できず過去の思い出に逃避する大野と未来の為に頑張る小春では、夜と昼くらいの差があって、小春の輝きが強すぎるように一見見えますが。。。両想いであるハルオと大野の間に小春の入る余地があるとは私には思えず、「日高小春にはなんとか幸せになって欲しいと思うおっさんの会」的には暗澹たる気分になってしまいます。
勝つために手段を選ばないプレイスタイル
しかし、小春は夜ゲーのような「何でもあり」スタイルに順応できるのでしょうか。できるのはもちろんできるんでしょうけど、染まって欲しくないというのが私の願いです。勝つことが至上命題でありつつも、正々堂々とエレガントな、修学旅行での大野VSハルオのような闘いを目指して欲しいと願うのは、当時対戦でろくすっぽ勝てなかった私の負け犬根性かもしれませんが。
ハルオのガイル、大野のザンギ、小春は?
ハルオが困ったときに助けてくれるのはガイル。大野はザンギエフ。二人にはそんな守護霊のような(ゲームの)ペルソナのような味方がいますが、小春にはそんなキャラがいるのでしょうか。フォボス?
ハルオ、どうする?
来るべき対戦に備え着々と準備をすすめる小春に対し、ハルオはどうするのでしょうか。大野のことを考えると練習どころではないでしょうし。どんどん腕が落ちて小春との差は広がる一方、そんなのでハルオが小春と付き合うことになったとしても、小春がどんどん惨めになってしまうように思え、そんなことは「日高小春にはなんとか幸せになって欲しいと思うおっさんの会」としては全く看過できないのでハルオにはどうにか頑張っていただきたいっす。

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- 作者: 押切蓮介
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2013/12/25
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