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I think so./I feel so.

漫画や映画など読んだもの・見たもの・聞いたもの・使ってみたものや普段の生活に関する感想文です。内容は一個人である私の思いつきに過ぎません。

コミックス『ハイスコアガール/押切蓮介』第2巻の感想

感想文 ハイスコアガール 漫画 押切蓮介 レビュー

中学生ステージ、日高小春登場

1991年・小学6年生の夏から時は流れて1993年中学2年の冬。相変わらずのゲーム脳・ハルオの前にひとりの少女・日高小春が現れる『ハイスコアガール押切蓮介』第2巻。2Dゲームからポリゴンへと切り替わり始めるこの時期、ハルオの何かも変わるのでしょうか?


ハイスコアガール押切蓮介』第2巻あらすじ

※ネタバレ注意
1993年12月、バーチャファイター登場で更に活気付くゲーセンライフを全力で楽しむハルオ。生活指導の見回りから逃げるハルオをたまたま見かけたクラスメイトの日高小春はそんな気ままなハルオを羨ましく思う。ゲーセンに入り浸ることをクラスメイトにチクられ、反省文を書かされるハルオだが、反省文を書くどころかPCエンジンGTで遊び始めてしまう。小春は日直のため、最後に教室を出なくてはならないので仕方なくハルオに声をかける。すると「反省文を書かなかった反省文を書けばいい」とうそぶきながら出て行くハルオ。猛吹雪にさらされる帰り道、小春はハルオを恨めしく思う。すると小春を呼ぶ声。ハルオが行きつけの駄菓子屋から小春を呼び止めたのだった。暖かい駄菓子屋で、ハルオに誘われ、肩を並べてネオジオ筐体でゲームをプレイする。ハルオはこの時、大野のことを思い出す。レバガチャプレイにもかかわらず超必殺技を繰り出し、小春はハルオに勝つ。雪が小降りになり、駄菓子屋を出る。駄菓子屋のおばちゃんは高齢のため、もうすぐ店を閉めてしまう、おばちゃんの元気づけに毎日通っていたが残念で仕方ないというハルオに、小春は自分の家にもネオジオ筐体があることを言う。ハルオはそれを聞き、毎日小春の家の店に通うという。小春は自分がちょっと浮かれていることに気付く。クリスマスやバレンタインを過ぎ、94年4月、ハルオと小春はまた同じクラスになる。ゲーセンの帰り道、懐かしい感じで車にはねられるハルオ。大野がアメリカから帰ってきたのだった。大野が帰ってきたことは同級生達の話題になっていたが、ハルオだけが気付くのが遅かった。大野を探して町中のゲーセンをあたるがなかなか見つけることができず、初めて大野と対戦して出禁になったゲーセンに入ると大野を見つけることができた。スーパーストリートファイターⅡXで連勝中の大野に挑戦し、2年半分の思いの丈や修行の成果をぶつけようとするハルオだが、大野は対戦を放棄する。ショックを受けるハルオは他人の喧嘩に巻き込まれて突き飛ばされ、大野がプレイしているファイナルファイトに2Pで入ってしまう。大野のハガーは猛り狂っている。勝手に入ってしまったお詫びにハルオが50円を差し出すと、ハルオが操作するガイにナイフを投げつける。残り体力の少ないハルオが回復アイテムの肉を拾おうとすれば体力満タンの大野が先に拾う。ハルオが樽の上で敵をやり過ごそうとすれば、大野はダブルラリアットで樽ごとハルオをなぎ倒す。体力の無いハルオの近くにアンドレを連れてくる。更にボディプレスを繰り出す。大野と戦うことを夢見て、大野が帰ってきたことが嬉しかったハルオは、ハルオとの共同プレイを全力で否定するような大野の仕打ちや、圧倒的な内容で大野が連勝していたことを思い、ライバル視していた自分の甘さを感じ、大野と肩を並べてプレイする資格が自分には無いと感じてしまう。無言で別れるふたり。迎えの車に乗り込んだ大野は、ハルオからもらった指輪を見つめている。


ハルオに恋する小春

ハルオを冷静に見つめ、その言動にいちいち嬉しくなったり傷付いたりしながら、内向的で勉強以外にやる事がなかった小春の生活は明確に変わっていきます。気ままなハルオを羨ましく思い、ゲームに関する上から目線を殿様気分と評し、自分みたいなゲーマーは迷惑だろうから無視してくれと言われて傷付き、それでもハルオのプレイを後ろから見ているのが好き。小春がハルオに惹かれたのは、ゲームをするために平気でクリスマス会をすっぽかすような「自分の意志に忠実に生きる*1」ハルオが、自分とは違って「いつもいつも楽しそう*2」だから。ハルオがキュークツそうだと見抜いているように、小春は窮屈で退屈な毎日を抜け出したいが自分ではどうにもならない。小春はハルオに、ゲームがきっかけでも構わないから、自分のつまらない毎日を変えて欲しいと思っているのです。


小春の毎日は確かに変わる。。。が

こうして小春の毎日は変わっていくのですが、小春は、ハルオの何かを変えることは全くできない。小春の気持ちは完全に一方通行で、小春自身もバレンタインに体調を崩したハルオを見舞いに行ってそのことに気付いてしまいます。それでも自分の気持ちを曲げたくないと思う小春。そして小春自身も気付かないまま行われる恋敵・大野との対戦で手も足も出ないまま負けてしまうというのは、小春の残念な結末にしかならなそうな恋の行く末を暗示するかのようです。


帰ってきた大野

2年半のアメリカ暮らしを経て、大野が帰ってきます。大野もハルオも再会を心待ちにしていたはずですが、大変ギクシャクした再会となります。そもそも大野が帰ってきたことに学年全体がざわついているにも関わらずハルオが全くそれに気付かないのがいけないのですが、小春と一緒にゲーセンから出たところを大野が乗る車にはねられる、つまり女連れのところを大野に見られているため、大野は怒っているのです。あの時、指輪くれたじゃないのよ?ということです。その怒りはファイナルファイトのハガーに仮託され、ナイフ投げ、ダブルラリアット、アンドレ連行、肉横取りなどで表現されます。ハルオはハルオで大野が相当怒っていることをひしひしと感じ取りますが、その理由を見誤ります。そもそもハルオの大野に対する気持ちは感情としては恋愛に違いないのに、その気持ちのことを恋愛感情と呼ぶことをハルオ自身が知らないために、ふたりは噛み合わないのです。大野は言葉がないためにゲームプレイでしか気持ちを表現できず、ハルオは子供過ぎる。こうして久しぶりの再会はトゲトゲしいものになってしまったのです。


ストⅡレインボーの思い出

レインボーはちゃんとしたチェーンのゲーセンには入っておらず、個人経営のちんまりしたゲーセンにばっかり入っていた記憶があります。改造されたインチキ基盤だという情報がすぐに流布し、海賊版であるこのレインボーを市場から抹殺するためにターボがリリースされた、という話を当時聞きましたが、それが事実かどうかは分かりません。

ストリートファイター25周年 サウンドBOX

ストリートファイター25周年 サウンドBOX

*1:コミックス2巻48P

*2:コミックス2巻48P