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I think so./I feel so.

漫画や映画など読んだもの・見たもの・聞いたもの・使ってみたものや普段の生活に関する感想文です。内容は一個人である私の思いつきに過ぎません。

別冊マガジン2013年8月号『惡の華/押見修造』第47話の感想

過去と向き合い、清算する決意

惡の華』作中の季節もそろそろ春を迎えようとする中で、春日くんも新しい季節を迎えるために「過去の清算」に目が向いてきたようです。

※ネタバレ注意

この傷がたとえ治っても

冬休みが明けて学校が始まり、平穏な毎日が続く。「僕がきみの幽霊を殺す、下りよう、この線路から」と宣言し、常磐さんと付き合うことになった春日くんの表情は明るい。常磐さんと二人でデートを楽しみ、一緒に学校から帰る日々。家庭内の問題も解消されたらしく、春日家にも笑顔があふれる。木々の芽も膨らみ、春が近い。それぞれの部屋の中で、常磐さんは小説を書きながら、春日くんはベッドの上で、同じ月を見上げている。学校の屋上で、来年迎える受験の話や春休みの過ごし方について話す二人。春休みに行ってみたい場所として常磐さんが挙げたのは春日くんの生まれ故郷。常磐さんは「中学の時、何があったの?」と聞く。「言いたくないというか、言わなくてもいいことだから。大したことじゃない」と答える春日くん。常磐さんは「じゃあ行こうよ」と食い下がる。「常磐さんに余計な迷惑かけたくないから、ごめんね」始業のチャイムが鳴り、一旦引き下がる常磐さんに春日くんは「常磐さんを裏切ったり、僕は絶対しないから。だから心配しないで」と言う。微笑みながら「何それ?」と答える常磐さん。春の雨が春日くんの部屋の窓を打ちつける。クリスマスにルドンの「惡の華」を握りつぶした右手を見つめる春日くん。掌には握りつぶした痕跡が生々しく浮かび、消える。引っかかるものがある春日くんは夕食時にお父さんから話しかけられてもぼんやりしてしまう。電話が鳴る。群馬に住む、春日くんの祖父が倒れて病院に運ばれ、危険な状態だという。両親は急ぎ群馬に行くことに。春日くんは話を聞きながら右の掌を見つめて「僕も行く」。事件から3年しかたっていないことを理由にあの町に行くことに反対する両親。しかし春日くんは立ち上がり答える。
「この傷がたとえ治っても」
「傷跡は…なくならないから」
「どこかで必ず」
「向き合わなきゃいけなくなる」
「…だから」
「行くよ」


「過去と向き合う」春日くんの決意

この先の進路を常磐さんに問われた春日くんは、過去へのわだかまりがあるために明言できないように私は思いました。このあと春日くんは常磐さんの群馬に行きたいという言葉に、行かなくていい、知らなくていいと答えてしまいます。第44話で自問自答の末、幽霊の世界で生きるのをやめると決め、第45話で常磐さんに僕と生きてくれと呼びかけ、常磐さんと一緒に線路から下りた春日くんは、右の掌に生々しく残る握りつぶした惡の華の痕跡を見つめながら、(出来事について事細かに告白するかは別としても)常磐さんを裏切らずに生きるには、過去と向き合わなくてはならないことに気づきます。春日くん自身は、過去に対するわだかまりを乗り越えようと桐生に行くことになれば、そこで酷い目に遭うのを既に分かっている。しかしそれを承知で行くことは、酷い目に遭うのが分かっているのに行ったリア充の溜まり場や晃司くんとの和解のために行ったカフェとは違います。今回は前に進むための清算であり、溜まり場やカフェは自分を罰したい願望に身を委ねただけです。傷、つまり桐生での過去の出来事は、その跡が残っているものの確かに癒えたのです。家族の絆も取り戻した。春日くんはもうその傷跡に振り回されるつもりはない。傷跡を見る度にもやもやする不安な気持ちにピリオドを打ちたい。もう傷跡から目を背け、逃げたりはしない。桐生へ行き、あの時自分がしたことは何だったのか、自分が不在の桐生に何があるのかその目で確かめ、乗り越えようという春日くんの明確な決意を、この第47話で私は感じました。


余計なことを何の気なしに言う、脇の甘い春日くんw

何があったのか?と問われて、余計な迷惑かけたくないって答えたら、そこにこの人と行ったら自分に余計な迷惑かかるようなことやらかしたのかこの人は⁉と私なら考えてしまいます。春日くんは意外と余計なことを言ってしまう子です。晃司くんに聞かれてもいないのに昔の友達の面影重ねた、とか言ってしまったり。全く脇の甘い奴だよww


コミックス『惡の華』9巻が8月9日発売決定!

だそうです。早いですね!嬉しい!しかも『ぼくは麻理のなか』2巻と同時発売です。当日は別冊マガジンも出るので退屈しない日になりそうです。

ぼくは麻理のなか(1) (アクションコミックス)

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