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I think so./I feel so.

漫画や映画など読んだもの・見たもの・聞いたもの・使ってみたものや普段の生活に関する感想文です。内容は一個人である私の思いつきに過ぎません。

ヤングマガジン2017年第15号『喧嘩稼業/木多康昭』74話※ネタバレ注意

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佐川兄弟が受けた「打倒・山本陸」の呪いと睦夫の呪い返し

敗者側の「その後」も描かれる『喧嘩稼業/木多康昭』陰陽トーナメント編。前回73話では文さんに敗れた櫻井裕章のセコンド・ヨシフのその後が、最新74話では十兵衛の数々の謀略の前に敗退した天才・佐川徳夫の敗戦後が描かれました。
徳夫とくれば当然睦夫兄さんも出てくるわけですが、今回は睦夫兄さんの怖さがどうかしてるレベルに達してるように思えてならないのです。


佐藤十兵衛vs佐川徳夫を振り返る

※以下ネタバレ注意
まともにぶつかっては勝てないことを知っている十兵衛が様々な謀略を駆使し、最後は梶原の秘策「屍」の残りに徳夫を見事に誘導・打ち込んだ上で富田流奥義・金剛を繰り出しノックアウト勝利を収める。
屍を注入された徳夫は重体となるが、陰陽トーナメントのスポンサーであり地下格闘技「アンダーグラウンド」の出資者でもあるタン・チュンチェンが暴力団・板垣組の吉田から解毒剤(もとは梶原から吉田が購入した)を12億円で購入し、それにより一命を取り留めた。

佐川兄弟が受けた呪い

佐川兄弟の父・雅夫は空手家・名護夕間の弟子(ちなみに名護の最後の弟子は櫻井裕章)として山本陸や川口拳治とともに研鑽に励んでいたが、やがてそれぞれが独立、独自の道を歩む。山本陸は地上最強の空手家として進道塾を立ち上げ、川口拳治はキックボクシング黎明期のスーパースターとなる。そして佐川雅夫は日本拳法に理想の格闘技を見出し、打倒・山本陸の信念のもとに自らの息子ふたりに過酷な英才教育を施す。
息子二人に施した虐待にも等しいその過酷な鍛錬は川口拳治をして「間違っている」と言わしめたが雅夫は意に介さない。やがて雅夫は空手の中学生トーナメントで田島に敗れた睦夫を見捨て、才気あふれる徳夫を育成することに集中するが、何者かに惨殺される。
打倒・山本陸の御旗の前に切り捨てられた睦夫、精神的支柱を失った徳夫はともに精神を病んでしまう。
死してなお残った父親の異常な執念は呪いとなり佐川兄弟を蝕んでいる。

睦夫の呪い返し

今回の74話で佐川雅夫殺しはどのように実行されたかが描かれました。主導したのは睦夫、実行犯は徳夫でした。徳夫は罪の意識からか雅夫が死んだことを受け入れず、長い間雅夫の幻影を見ていましたが、十兵衛に敗れた際に雅夫がすでに死んでいることを思い出します。
トラウマから開放されて徳夫は自由となるかと思いきや、実は睦夫による更に強力な呪い返しに巻き込まれていました。

徳夫がおかしいのは罪の意識が原因ではない

幻影を見ていたのは罪の意識からと徳夫は結論づけましたが、本当にそうでしょうか。
それも込みで睦夫に誘導、つまり睦夫の呪いを受けていたのではないでしょうか。
睦夫の呪い返しの第一段階は徳夫を共犯者に仕立てた雅夫殺し。
第二段階は徳夫がトラウマから幻影を見てしまうように仕向けたこと。
第三段階は徳夫に自らと同じように「父が死んだのは外見だけ」と思いこませること。

底なし!睦夫!

父親に捨てられたことにより液体で満たされた体内のガラス玉が割れ、砂の毒が回った「透明な人」となった睦夫。

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引用:『喧嘩稼業』Kindle版第4巻 P.137

父親に外見上の死をもたらすことで父との「繋がり」を再度獲得しようとする睦夫の呪いが徳夫を蝕み続け、十兵衛戦での敗退がその呪いの新たな段階に入ったと考えると、睦夫の呪いの深さに石橋強や櫻井裕章なみに体内のゴールデン玉が縮み上がろうというものですよ。。。