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I think so./I feel so.

漫画や映画など読んだもの・見たもの・聞いたもの・使ってみたものや普段の生活に関する感想文です。内容は一個人である私の思いつきに過ぎません。

別冊マガジン2013年12月号『惡の華/押見修造』第51話の感想

レビュー 感想文 惡の華 漫画 悪の華 別冊マガジン 読書 押見修造

春日くん、過去を告白する

常磐さんの部屋に招かれ、出来上がった小説を読んでくださいと差し出されるも今の僕はそれを読めないと断った春日くん。常磐さんに言わなきゃいけないことがある、というところで終わった前回。さて今回は?


別冊マガジン2013年12月号『惡の華押見修造』第51話のあらすじ

※ネタバレ注意
惡の華を握り潰した手のひらの傷痕を開くように、中学2年の初夏から夏の終わりまでの出来事を常磐さんに告白する春日くん。聞き終わった常磐さんはため息をつき、春日くんにひとりで考えたいから帰ってと言う。春日くんは帰れないと答える。私にどうしてほしいのか言ってよと言われると、どうしてほしいとかは無い、話さなきゃいけないから話したんだと春日くんは返す。

そんなのは自分勝手で私には関係ない、吐き出したかっただけ?と常磐さんは強く問い質す。春日くんはもう逃げたくなかった、と答える。常磐さんには何も言わずにいようと思っていたこと、このことは常磐さんに関係のないことで、こんなことを押し付けるのはエゴだ、とも。でも過去を消すことはできず、巡り巡って僕の前に立ち塞がると言う。

春日くんは木下さんにもらったメモについては、それを見ることができないままカバンの中にしまっていると言った上で

僕はまだ
仲村さんから離れられないでいる
好きとか嫌いとかじゃない
抱きしめたいのか殺されたいのかわからない

もう一度会いたい
仲村さんに会いたい
きみと…生きるために

春日くんは出来上がった常磐さんの小説について、仲村さんに会ったあとに常磐さんが自分を許してくれるならその小説を読ませてほしいと言う。常磐さんは立ち上がり、読ませられない、と答える。常磐さんは急に小説がくだらないものに思えてきたと言い、原稿を破り捨て、部屋から、そして家から走って出て行ってしまう。

追いかける春日くん。橋の上で常磐さんに追いつく。放せ‼︎と言われ

放さない
絶対に

と春日くん。常磐さんは言う。

じゃあ
私にキスできる?

月が照らすその下で、春日くんは常磐さんにキスをする。

私も行く
私も
仲村さんに会いに行く


春日くんの強い決意

これから常磐さんと生きていくために、だから仲村さんに会いに行ってくると正直に言った春日くん。常磐さんを絶対に放さないという強い決意が伺えます。

常磐さんは気の毒にも、春日くんには中学の時に何かしらあったんだろうなと薄々は感じながらもこれまで知り得なかったことを、心の準備も何も無いまま聞かされます。常磐さんが混乱するのも無理からぬことだと思います。それでも春日くんとのキスで最後に常磐さんも覚悟を決めました。


春日くんの仲村さんへの想い

仲村さんへの想いを、春日くんははっきりと「好きとか嫌いとかじゃない」と言いました。となると、春日くんが仲村さんへ抱くのはどういう想いなのでしょうか。

それは、手のひらの傷痕、です。手のひらに残って消えない傷痕と同じように、春日くんの心に傷痕としてついて消えない、春日くんの心の一部のようなものです。痛みは消えても、痕は残り続けます。逃げずに向かい合って生きていくしかないものです。

そしてこの傷痕と向かい合って受け入れて常磐さんと生きていくために、桐生に行ったのと同じように仲村さんに会いに行かなくちゃならない、と春日くんは考えていると私は思います。


破り捨てられた小説

急にこれが
くだらないものに思えてきた

私が今回、一番衝撃を受けたセリフがこれです。びっくりしました。春日くんの告白で常磐さんが受けたショックがとてつもなく大きかったことを物語るセリフだと思います。

常磐さんはこの時、想像の遥か斜め上をいく告白で混乱していたし、春日くんの仲村さんへの想いを理解できずにいたのだと思います。また、恋人の口から語られた事実の荒唐無稽さに自分の作った物語が負けている、駄作だ、悔しい!という気持ちもあるのかなと思いました。


春日くんに覚悟を問うた常磐さんと仲村さん

部屋から飛び出す、捕まえる、放せ放さないのくだり、コミックス4巻第20話が再現されています。どちらも春日くんに、自分の中にズケズケ入ってくるにあたっての覚悟を仲村さんも常磐さんも問う展開です。

中学生編ではこの場面で仲村さんの「一生じぶんでじぶんのうっとり撫でまわしてろ‼︎!」から春日くんの「クソムシの海から這い出す契約」が提案され、結果として夏祭りでのテロを企てる過程で、生きたい、死にたくないと願っていた仲村さんが絶望から死ぬことを決意し、その決意に流されることを良しとした春日くんが仲村さんに櫓の上から突き飛ばされてしまいます。

対して今回は常磐さんの「キスして」からそれに応える春日くんという流れです。思春期特有のイライラや形にならないもやっとした気持ちをお互いに好き勝手にぶつけ合って自滅する中学生編と違い、お互いの気持ちを明確にわかり合う過程を経て、揺るがないものが出来上がったふたりならではの展開だったと思います。


仲村さんは今どこに⁉︎次号、木下メモが明らかに…

なるんですかねこれ。仲村さんは何かなぁ…正直、生きてる気がしないんですよね…私は17歳の仲村さんがイメージできないです。


今回の常磐さん

今回いろんな表情が描かれてて、どれも可愛かったなあ。春日くんの顔は崩れてたというか、まあ春日爆発しろってことでw

惡の華(4) (講談社コミックス)

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春日のクセに常磐さんにキスしやがって!キー‼︎